建築条件を外す
建築条件付き土地の条件を外すことは可能か?
建築条件付の条件を外せないと思っている人が少なくありません。
建築条件とは、土地の売主が指定した業者で建物を建てるという条件です。
土地は気に入ったが、建物が気に入らない、といったことが珍しくありません。
私はAという住宅会社にいましたから、A社の建物を建てたい、というお客様のために土地を探すわけです。
当然、他者の建築条件付きの土地であれば、A社の建物は建てられません。
しかし、建築条件で売りに出ている土地は、まさにお客様が希望している土地。
お客様はその業者が指定している建物が気に入らないというケースの場合、なんとかA社の建物をその土地に建てるべく働きかけるわけです。
そこで、私は土地の売主に相談します。
「建築条件を外してくれないか」と。
販売して間もない土地の場合、ほとんど相談に応じてくれませんんが、販売してから何か月も売れない現場だと相談に応じてくれるケースが増えます。
ただし、販売価格に対していくらか価格を上乗せすることを条件にしてです。
上乗せする価格に関しては、売主の売却意欲や、当初の販売価格の設定によって異なりますが、私が交渉したケースでは50万円〜200万円の範囲内で収まっていました。
ただ、100万円以上の上乗せで成立することはまれで、ほとんどの場合は100万円以内に収まっていました。
もともと建築条件付きの建物は、多くの場合、私が勤務する会社の標準仕様よりも内容が大分劣っていたため、多少価格が上乗せされても総合的に見れば、お客様も納得することができました。
土地の売主も、もともと建物で利益を出すことを目的に土地価格を低く抑えて販売をかけていますから、土地だけの販売ではあまり利益にならないわけです。
結果的に、土地の売主も買主もこの方法で納得して取引が成立します。