上棟式を行うかどうか
上棟式を行うかどうか迷ったら
私が担当したお客様では、地鎮祭は行うが上棟式は行わないという家族が多数派でした。
その理由としては、費用の問題や段取りのわずらわしさの問題があります。
上棟式には多くの大工さんが来て、その日のうちに棟上げまで行います。
家づくりのうちで、一番多くの職人さんが集まる日でもあるのです。
以前は、棟上げが終わると大工さん達に料理やお酒をふるまいました。
私も何度か担当営業として上棟式に招待されたことがあります。
施主はそれらの準備やら、挨拶やらで慣れない人にとっては大変かなという気はします。
そこで、私がお客様に提案したのは、上棟式を行わなくても、上棟の日に現場に足を運び、家の骨組みが出来てゆく様を見学することです。
可能であれば、初めの一本目の柱が建てられる瞬間から見て欲しいのです。
なぜなら、感謝の気持ちが生まれてくるからです。
大勢の職人さん達が一本一本の柱や梁を組み合わせてゆく様子は、見ていて本当に楽しいものです。
また、家を造ることが、いかに危険な仕事であるかということも良く分かるため、現場で働く職人さん達に対して、自然と心から感謝の念が湧いてくるのです。
この”感謝の念”を抱いてもらうことが非常に大切であると感じているので、私は「上棟式を行う必要はありませんが、その日は是非現場に足を運んでください」 と勧めました。
夕方になり棟上が近づくにつれ、施主さんの中にはそわそわし始める人がおり、御主人と奥さんと二人で 「何か買ってきて手土産にしてもらおうか」などと相談しはじめます。
形ではなく、心から感謝の気持ちを伝えたいという表れではないでしょうか。